安倍政権発足とともに始められた日銀の超金融緩和は、その後たびたび強化され、米欧の金融当局が出口戦略を模索する中で、そうした流れに背を向けるかのように頑なに既定路線を維持し続けています。インフレ目標2%については、達成時期を明記しなくなりましたが、当初宣言された目標時期が実際達成されなかったのですから当然といえば、当然です。もともと短期的な措置であった超金融緩和がこれだけ長引けば、副作用が大きくなるのは当然です。何よりも日本の短期金融市場は機能不全に陥り、すでに死にたいとなっています。金融機能を窒息死させたツケはいずれ払わなくてはならないでしょう。借り手は金利をろくに払わず、貸し手は金利を取れない世の中は、ある意味ではモラルハザードの温床です。そうしたもろもろのことを当たり前にしてしまったことこそが最も罪深いのではないでしょうか。本日は加藤さんに日本の金融・財政の現状について解説していただきます。
*中部経済倶楽部 7月の定例講演会は3日(火)が第一生命経済研究所首席エコノミストの熊野英生氏で「内外経済見通し」、17日(火)がコリアレポート編集長の辺真一氏による「北朝鮮 最新情勢分析」です。ご都合のつく方はご参加ください。
*映画鑑賞会 6月15日からは黒澤明特集です。29日は『椿三十郎』。主演は三船敏郎、仲代達矢、加山雄三 上映時間は96分。 午後2時40分頃の開始予定です。