民社党政権が崩壊し、安倍政権が登場したときに、国民の多くが期待したのは、安定した政治により、正常な国民生活が戻ってくることでした。安倍政権のスタート当初は為替の反転と株価の上昇により日本経済は明るさを取り戻しました。それが、どこまで金融財政政策のもたらしたものなのかは議論の余地があるでしょうが、結果を出したことは事実です。しかし、経済優先を標榜した政権の重心が安保関連法案に傾斜し、そもそもそのことに信任を与えたわけではない部分が突出してしまったように思われます。革新勢力が依然として旧態依然の姿を脱しきれないなかで、保守勢力がいつの間にか安倍カラーに浸食されている現状をどう捉えたらいいのか。本日の石橋湛山賞受賞記念講演では、若宮氏に日本の保守政治の変質と今後の安倍政権の行方を論じていただきます。