議会での支配権を共和党に握られたオバマ政権をレイムダックと一言で片づけて、今後残された2年間は何もできないかのように言い切る論調を目にします。しかし、共和党の主導でTPPの通商促進権限(いわゆるファーストトラック)を大統領に与える動きが進められ、与党のはずの民主党が抵抗しています。こうした現状を見ると、米国の政治を日本的感覚で語ることは大きな誤りであると気づかされます。弱体化したとはいえ、大統領が何もできないわけではありません。そして今後2年間の国際政治がアメリカ抜きで語れるはずもありません。好むと好まざるにかかわらず、わが国にとって最大の同盟国であるアメリカの外交政策が、これからどのように展開していくのか。本日は渡部恒雄さんにオバマ外交の行方を分析していただきます。