「イスラム国」の登場は、西欧諸国の民主主義と国民国家の概念に対する挑戦と言えるでしょう。彼らの主張に与するわけにはいきませんが、ここへきて第二次大戦後の国際秩序のはらんでいる矛盾が噴出している感は否めません。ウクライナにおけるロシアや尖閣・南シナ海における中国の行動もまた、これまでの国際秩序への明らかな挑戦です。こうした動きにわれわれはどう向き合っていけばよいのか。本日のシンポジウムでは、「国」という枠組みがこれからどうなるかを論じていただきます。
本日の講演会(第4103回)アジア平和貢献センター共催シンポジウム
国際社会の中で「国」という枠組みは今後どうなっていくのか
[問題提起] アジア平和貢献センター理事長 西原 春夫氏
1928年生まれ。49~56年早稲田第一法学部および大学院法学研究科に学ぶ。専門は刑法学。82~90年早稲田大学総長。
[基調講演] 筑波大学大学院名誉教授 進藤 榮一氏
1939年生まれ。63年京都大学法学部卒業。同大学院博士課程を経て69年よりフルブライト留学生としてジョンズホプキンス大学院、プリンストン大学院に学ぶ。74年筑波大学助教授を経て教授、学系長等を歴任。2003年筑波大学名誉教授。早稲田大学アジア研究機構教授などを経て現職。
慶應義塾大学総合政策学部准教授 廣瀬 陽子氏
1972年生まれ。95年慶應義塾大学総合政策学部卒業。97年東京大学大学院法学政治学研究科修士課程を経て、2001年同大学院法学政治学博士課程(国際政治専攻)を単位取得退学。2000年~01年に国際連合大学秋野フェローとしてアゼルバイジャンに留学。08年静岡県立大学準教授を経て現職。
東京理科大学工学部第一部教授 大庭 三枝氏
1968年生まれ。国際基督教大学卒業後、東京大学大学院総合文化研究科で修士号、博士号取得。東京大学大学院助手、東京理科大准教授、南洋工科大学(シンガポール)客員研究員、ハーバード大学日米関係プログラム研究員を経て現職。専門は国際関係論、アジア太平洋/東アジアの国際関係。