【編集後記】 政治学者のイアン・ブレマー氏はかつて今の時代を「Gゼロ」と表現しました。つまり統合の難しい国際秩序の時代だと。ガザ紛争を見ているとその実感を強くします。イスラエルはハマス戦闘員以外の一般人や子供への無差別攻撃が続けています。国際社会はイスラエルへの非難のトーンを上げていますが、エルサレムへの首都移転を強行したトランプはもちろん、バイデン大統領自身も自らをシオニストと呼ぶほどで、アメリカによるイスラエルへの肩入れは党派を超えて強いものです。今の国際社会は紛争解決の有力な手段を失い、まさにGゼロが加速しています。
次号は小泉悠氏「ウクライナ戦争の三年目を見通す」、小林浩美氏「女子プロゴルフ改革 私の挑戦」、藤原帰一氏「戦争の時代 2024年の世界」、三浦まり氏「『さらば、男性政治』が問いかけること」を掲載予定です。
編集後記 2024年1月号
2024.09.05