いよいよ今月末をもって平成が終わります。41日には政府から5月以降の新元号も発表されました。平成天皇が自ら希望された「生前退位」が、刻々と近づいています。天皇の崩御による退位と改元が国民生活の混乱を伴った30年前の経験を鑑みれば、今回の「生前退位」の実現は、常に国民に寄り添うことで象徴天皇であることを全うしようとした平成天皇の国民への最後の賜物といえるかも知れません。さて、平成の時代は、経済面ではバブル崩壊とその傷跡を癒すための30年間でした。それが長かったのかどうかは、80年代後半のバブルの生成と膨張がどれだけ強大なものであったかに拠ると言えます。バブルの膨張を許した失敗を正しく捉えることなく、30年間を安易に「失われた」と片付けるべきではありません。高度成長によって経済大国にのし上がった日本は政治経済の諸制度も、そして国民の意識も、その存在にふさわしい行動と体制を身につけることができたのでしょうか。相変わらず日本人の耳にだけ優しい情報だけが社会に溢れ、日本でしか通用しないひとりよがりの議論が横行しているのではないでしょうか。本日は田中秀征さんに平成時代を振り返っていただきます。

*中部経済倶楽部 4月は17日(水)が中岡望・東洋英和女学院大学客員教授を予定しています。ご都合のつく方はご参加下さい。

*映画鑑賞会 本日はR・スティーブンソン監督、ジョン・フォンティーン主演の「ジェーン・エア」です。上映時間96分。午後2時40分頃開始します。