英国のメイ首相がEU市場からの完全離脱方針を明らかにしました。トランプ氏は早速英国のEU離脱を歓迎し、EU各国首脳の反発を呼んでいます。そのEUでは今年、フランスの大統領選挙やドイツの総選挙など、EUの将来を左右する重要な選挙が相次いで実施されます。二つの世界大戦への深刻な反省から生まれた欧州統合へのたゆみない歩みは今、大きな転機を迎えていると言えるでしょう。国境を超えたヒト、モノ、カネ、そして情報の自由な流れこそが、世界の通商の発展を通じた経済成長と新興国の経済的離陸の原動力でした。しかし、英国や米国においては自国優先の保護主義と排外思想が勝利し、他の欧米先進国をも広く蝕みつつあります。保護主義はそれを掲げた国自身を傷つけることになるでしょうが、感情に流された自国優先思想は再び世界を悲惨な結末に導きかねません。本日は庄司先生に2017年の欧州を展望していただきます。

*中部経済倶楽部 2017年の2月の定例講演会は8日(水)が国際金融問題研究家の豊島逸夫氏、22日(水)が富坂聰・拓殖大学教授です。ご都合のつく方はご参加ください。

*映画鑑賞会 1月20日はジェームズ・ギャグニー主演の『汚れた顔の天使』です。ご講演終了後の14時40分開始予定です。上映時間98分。