3月25日第4153回  慶応義塾大学教授 池尾 和人 

当初のアベノミクス(特にその第一の矢である大胆な金融緩和)は短期決戦型のものでしたが、短期間での日本経済の再建は実現しませんでした。しかし、そうした政策を継続したことで顕在化してきた問題点を検討します。

講師略歴

1953年生まれ。75年 京都大学経済学部卒業。80年 一橋大学大学院経済学研究科博士課程単位取得満期退学。 84年 岡山大学経済学部助教授。86年 京都大学経済学部助教授。87年 京都大学経済学博士(論文『日本の金融市場と組織-金融のミクロ経済学-』による)。94年 慶應義塾大学経済学部助教授。95年 同教授(現在に至る)。2003年 慶應義塾大学大学院経済学研究科委員長(2007年まで)。主な著書に『連続講義・デフレと経済政策-アベノミクスの経済分析』(日経BP、2013年)、『現代の金融入門』(筑摩書房、2010年)、『開発主義の暴走と保身-金融システムと平成経済』(NTT出版、2006年)、『銀行はなぜ変われないのか-日本経済の隘路』(中央公論新社、2003年)がある。