今年も師走を迎えることになりました。揺れ動く世界の政治経済をよそに、日本では同時多発テロや大量難民の流出も、時間が経つにつれて、どこか他人事のように報じられ、受けとめられているように感じられます。国内においても、多額の公的債務の積み上がりをよそに、当然のように財政赤字を前提とした予算案が準備されつつあります。「1億総活躍」という、何とも空しいだけでなく危険な掛け声や、希望、夢、安心という空疎で情緒的な政策に納得する国民がどれだけいるでしょうか。いま為政者が国民に示さなければならないのは、異次元金融緩和と財政赤字の垂れ流しの結果として進行している日本経済の危機をいかにして克服するかについての処方箋です。夢を語る前に悪夢を振り払うために国民に何を求めなくてはならないのかを語るべきでしょう。本日は野口先生に日本経済の行方を診断していただきます。

*中部経済倶楽部 定例講演会は12月9日(水)浪川攻・週刊東洋経済記者の「2016年の日本経済と金融動向」、17日(木)寺島実郎・日本総合研究所理事長の「2016年への視座」です。ご都合のつく方はご参加ください。

*映画サロン 12月は「独りでいるも、ふたりで暮らすも・・・」特集。4日(金)はラシダ・ジョーンズ主演の「セレステ&ジェシー」です。講演終了後、ホールにて。